2012-01-19 (Thu) 23:19
東京出張の飛行機で、小山和作先生と一緒になった。
先生は、日赤熊本健康管理センター名誉所長で、予防医学を生涯をかけ広めていらっしゃる方である。ありがたいことに、飛行機の中で、先生から「予防がいちばん」(熊本日日新聞社刊)という著書をいただいた。
熊日に連載されているとき、関心深く読んでいたつもりだったが、改めて読ませていただくと、医学部学生のときのセツルメント、農村医学研究会、熊本県健康管理協会、そして、日赤で初めての健康管理センターの設立、そして、健診業務の拡充と先生が尽力されてきた様子が明るくそしてユーモアを持って書かれていて感銘を受けた。
思うに、現在では予防医学、健康診断は、一般的になっているとも思えるが、先生が取り組まれた時代では、医師は「病気になった人を治すもの」という観念が主流で、それを、医師が「人を病気にならないようにする」という発想に帰られたのは、医師の役割、医学の役割に対するある種のパラダイムの転換ではなかったのであろうか。
そして、金にならないけど(小山先生すみませんm(_ _)m)、県民の健康のために、やらねばならないと、その将来もはっきりしないなか、懸命に立ち上げるお姿に、私の好きな言葉を思い出すのである。
「誰かがやらねばならないときに、どうして自分がやらねばならないのかと考える者と、何故自分がやらなくて良いのかと考える者との間には、道徳的進化の全過程がある。」(ウイリアム・ジェームズ)
そして、後輩は、少しでも先輩に近づけるように頑張らねばならないと思うのである。。