2013-05-15 (Wed) 19:30
5月13日熊本日日新聞夕刊によれば、今春の法科大学院の入学者数は2698人で過去最低であり、69校のうち64校が募集定員を下回ったということである。
一方、法科大学院を卒業しなくとも司法試験の受験資格を得られる「予備試験」の今年の志願者数は1万1255人となり、過去最高とのことである。
これから明らかなのは、司法試験受験希望者が、法科大学院を避け、予備試験に流れているということである。
では、なぜそのようになるのか?
受験希望者が、弁護士になった後の想定される収入額と、(1)法科大学院の学費、(2)3年間という時間そして(3)司法試験の合格率とを比較して、割に合わない(ペイしない)と考えているからである。
この点、(3)司法試験の合格率を上げれば、法科大学院の受験者が増えるというものではない。合格者数を増やすことは、弁護士の数を増やすこととなり、ますます想定される収入を減らすことになる。とすれば、わざわざ費用と時間を費やして法科大学院に行くメリットはないのである。
予備試験の合格率は、法科大学院や司法試験の合格率より低いのであるが、その受験者が法科大学院受験者よりも多いということは、その制度の優劣(理念ではない。現実世界における合理性)を比較する「社会実験」において、もはや結果は明らかになったと言わざるを得ない。
そもそもは、他の国と異なり隣接士業が発展している日本において、弁護士に対する需要とその供給を見誤ったうえで、制度設計を行ったことが間違いであったと思うのだが・・・
優秀(人のために役立つという意味)な者をその業種に誘因するには、仕事自体のやりがいももちろんあろうが、しかるべき収入の保証も必要である。その収入を保証しなければ、優秀な人は集まらず、やがてそのような制度を放置していたツケは、一般国民に及ぶのではなかろうか?
もう一度見直すべき時期が来ている気がする。