2009-11-06 (Fri) 19:59
どの業界もそうだろうが、時勢が業務に反映する。
私の必ずしも長くない経験でも、時代の流れを感じることがある。
その象徴的な業務分野は、破産等の債務処理案件である。
業務を始めた平成5年頃は、バブルが弾け、経済状態が右下がりとなり、
徐々に、個人の破産申立などが増え始めて来た。
その後、業界として、破産申立事件が増加し、
それは、裁判所の業務態勢をも変化させ、
さらに、民事再生法や、特定調停、破産等の法整備がなされ、
そして、任意整理、過払い請求が、ポピュラーになった。
その変化をもたらしたのは、債務にあえぐ依頼者と、その救済に当たった弁護士、
それを受けた裁判所による、貸金業法等に関する裁判例の集積、変更、
さらには、国会による貸金業法関連の法改正までによるものである。
その結果、最近では、ロプロ、旧日栄の会社更生法申立に象徴される
幾多の貸金会社の倒産、廃業をもたらすなど、経済の一局面の変化をもたらしている。
マクロの経済の変化が、個々人の行動というミクロの変化もたらし、
それが、また、マクロの変化をもたらしている。
また、別の面からは、経済の変化が、法に変化をもたらし、それが経済に変化をもたらしているということが言える。
大きな連鎖のなかで、的確に業務を遂行していかねばならないと思う。